日本最古の物語の一つと言われる竹取物語、そのヒロインがかぐや姫です。
かぐや姫の伝承は意外に全国にあり生誕の地と言われる場所も複数ありますが、今回は生誕の地の有力候補である奈良県の竹取公園を訪れてみました。
古墳だらけの住宅地にある大型の公園
竹取公園があるのは奈良県北葛城郡広陵町、周辺は住宅地で大阪などのベットタウンにもなっています。
周辺には多数の古墳があり、小さな丘があればだいたい古墳と言われるぐらいたくさんあります。
古くから栄えていた場所なのがわかります。
人が写らないように工夫して撮影していましたが、遊具の付近以外はギュウギュウでもないのでのんびり散策できます。
行き方
最寄り駅は近鉄大阪線の五位堂駅が近いと思いますが、かなり距離があり徒歩は難しいです。
付近にバス停があり、近鉄大和高田駅などからバスが出ていますし、五位堂駅からでも手前まではバスで行けそうです。
ただ可能なら駐車場無料ですし、周辺に駐車場のある飲食店も多いのでマイカー利用が便利です。
入口にかぐやちゃん
入口付近でかぐやちゃんがお出迎えしてくれます。
竹林があります
竹取公園と名前はついていますが、竹林ばかりではありませんでした。
広大な敷地の中にひっそりと竹林があります。
どこかでかぐや姫が出て来たのでしょうか?
ファミリー層に便利
駐車場は無料ですし、エントランスから広々としています。
広大な敷地内には遊具もありますし、ファミリー層ならかなり楽しめそう。
入園料も無料です。
ついでに池にはなぜかドラゴンも居ます。
尚、ごみ箱はないのでごみはお持ち帰りください。
トイレまで竹の形なのはどうなの?と思います。
竹取公園自体かなり大きな公園ですが、隣接する馬見丘陵公園はさらに広大です。
全て歩き回るとすると、半日でも足りないかもしれません。
竹取物語とは
誰もが知っていると言っても差し支えないぐらい有名な竹取物語。
作者は不明ですが紫式部も「日本最古の物語」として記述していて、少なくとも平安中期以前には存在していたと想定されます。
要するに源氏物語より古い(それもかなり)のです。
竹取物語ですが他の地域伝承や物語、いわゆる「昔ばなし」とは異なる点があります。
まず、紫式部の記述から源氏物語以前に書物として存在していたと推測できる点。
また内容も「物語として非常に完成度が高い」、「ある程度の地位がないと知りえない情報」などがあるからです。
特にかぐや姫に求婚するのが高い地位人物が多く、ある程度の地位それも都周辺の人物でないと知りえない情報も含まれます。
もちろん後に脚色された可能性はありますが、民間伝承のような口伝と異なり大幅な改変はないでしょう。
なので作者は不明ですが、かなり高い知識と教養を持った人物に違いなさそうです。
特に作者が女性であった場合、紫式部ですら本名不明(紫式部は通称)なので特定は不可能です。
舞台は奈良県なのか
日本各地に由来の地があり富士山付近などの説もありますが、平安時代中期以前には成立していた点や冒頭に「今は昔」と記載ある点から、平安京の前の都つまり平城京のある奈良県が舞台の可能性はかなり高いと推測します。
もし竹取物語(もしくは元ネタ)が奈良時代より以前に存在していたとしても、奈良時代の前は飛鳥時代ですし近隣の古墳から古から栄えていたのは明らかなので不自然ではありません。
さらに、物語の内容に都の知識が必要な点からも、最低でも都近隣の人物と推測されます。
この事から当時の都周辺の人物が、何らかの出来事を題材として作った物語と考えると辻褄はあいます。
かぐや姫は何者だったのか
物語のラストで月に帰ってしまうかぐや姫、モデルとなった人物は誰だったのでしょうか。
SFチックな話から歴史裏物語説まで様々な伝承や仮説が存在します。
宇宙から来た説
物語そのままだと月面人になりますが、現在でも月には文明どころか空気も確認されていません。
異国の姫説
大陸から避難してきた姫が、帰っていった説です。大陸もしくは朝鮮半島の姫が自国で内乱があり日本に一時避難していたが、内乱が収まったので帰ったとされるお話です。
奈良時代以前だと朝鮮半島に戦乱の多かった時代とも符合しますし、奈良時代以前の空白の150年と言われる時代から朝鮮半島と交流していた証拠は多数発見されています。
また大陸由来でなくても日本国内も完全には統一されていない時代だと、他の国内地方勢力の姫だったとしても不思議はありません。
富士山に帰った説
かぐや姫は富士山の神様で富士山に帰った説です。
この場合だと舞台が駿河の国(静岡県)になってしまうのですが、異国の姫君説と合わせて考えると「駿河からやってきた」又は「駿河に嫁いだ」と考えると無理やり符号させる事はできます。
高貴な身分に嫁いだ
竹取物語の中で高貴な身分の人物から求婚されるも無理難題を押し付けるかぐや姫ですが、実際は高い人物に嫁いだと考える説です。
月(天)に登ったのではなく天のような身分の人物に嫁ぎ、結果両親は会えなくなってしまった。
当時そのような事例があっても不思議はありません。
求婚を嫌がり自害した姫説
かぐや姫が自害したとされる説も存在します。
広陵町付近の豪族の姫であったかぐや姫が、ヤマト王権からの求婚を拒み自害した説です。
「迦具夜比売(かぐやひめ)伝説」として広陵町のホームページなどで閲覧できます。
日本が群雄割拠の時代だと政略結婚などもあったことでしょう。
自害はしなくても敵国に嫁いで会えなくなったのかもしれません。
桃太郎に嫁いだ
某王手携帯会社のCMなど、桃太郎の奥さんや恋人にされているかぐや姫。
かなり強引な話にはなりますが、桃太郎のモデル吉備津彦の命はヤマト王権の皇子です。
ヤマト王権付近の豪族の娘であった姫が、皇子に嫁ぐ可能性はあったかもしれません。
政略結婚の始まりです。
後に西国に派遣される事になる吉備津彦の命ですが、かぐや姫が同行したとすると西は太陽の沈む方角なので天に向かった(帰った)と強引に物語を作れます。
年代的にズレは生じそうですが、まあ吉備津彦のミコトは享年281歳らしいので・・
こうなると日本史空白の150年と言われる時代に絡んできてしまいます。
謎の多い物語
知名度の非常に高い物語ですが、成立や元ネタなどほとんどわかっていません。
確定しているのが「源氏物語より古い」で、それ以外は不確定なのです。
地理的に奈良県を舞台とした可能性は高そうですが、これも推測です。
もし元ネタになった姫が存在するとしたら、最後は幸せになっていて欲しいと思います。